ベースボールカードを集めたことはありますか?
たぶん野球好きの人が子供の頃、ベースボールカードに触れて育った方も多いのではないでしょうか?
かつての日本の野球少年は、カルビーのプロ野球チップスカードやロッテガムのカード、そしてカネボウから発売された「セ・リーグガム」というセリーグのカードがついた不思議なガムもありました。どうやらコレは、カネボウガムの同業者であるロッテ・マリーンズがパ・リーグにあった為、セ・リーグのみだったという理由があったそうです。
一昔前になると、駄菓子屋のめんこやブロマイド、そして紅梅キャラメルなどもさらに上の世代には人気があったのではないでしょうか。
さてベースボールカードとは一体なんなのでしょうか?
19世紀にタバコなどの販促品だったベースボールカードは、1950年代になるとカードがメインとなって売られるようになっていきました。
この1950年代がベースボールカードの一つの転機で、選手の成績を載せるのはこの頃のベースボールカードから主流になったと言われています。
後日また違う日に書こうと思いますが、近年野球界で流行っているセイバーメトリックスの誕生にもベースボールカードの裏面の成績表が関わっている訳ですから、ベースボールカードが野球の戦術を変えたと言っても過言ではないかもしれませんね。
さて今日はたった1枚のベースボールカードが起こした出来事について書いていきたいと思います。
1989年に全米で大ヒットした野球映画「フィールド・オブ・ドリームス(Field of Dreams)」
ストーリーはアイオワ州で農業を営んでいるレイ・キンセラが、ある日トウモロコシ畑で謎の声を聞く。
「If you build it, he will come(それをつくれば、彼は来る)」
彼とは誰なのか?その日からレイはトウモロコシ畑をつぶし、野球場を作り始めました。
野球場が完成するとそこに現れたのは1919年のブラックソックス事件(八百長)で永久追放となったシューレス・ジョー・ジャクソン。
その後、レイは声に従うまま、アメリカ各地で導かれた人々と会い、野球場へ戻ります。
最後にその野球場に現れたのは若き日のレイの父親(故人)。
そして父親とキャッチボールをして、自らの苦しみ(生前の父親に対する態度を後悔していた)を取り除いていったのです。
この映画で全くの無名の大リーガーが一躍スポットを浴びることになります。
アーチー・グラハム(ムーンライト・グラハム)
映画公開の25年も前に他界している人物で、20世紀初頭にたった1試合だけメジャーリーグの試合に出場した経歴をもっています。
この映画が公開されるまで、おそらくほとんどの人がグラハムのことを知らなかったでしょう。
そして、フィールド・オブ・ドリームスが公開されなければ知れらることのない選手だったと言えます。
彼はニューヨーク・ジャイアンツに所属していた1905年6月29日の試合に出場。
8回裏から守備につき打席に立つことなく試合終了。
これが彼にとって唯一のメジャーリーグでの試合出場になりました。
その後1907年までマイナーリーグでプレーしましたが、彼は30歳で野球の道を断念しもう一つの夢へとすすみました。
1908年、医学課程を修了したグラハムは、ミネソタ州の田舎町チゾムで医者としての人生をスタートしました。
炭鉱の町チゾムでは蚊によって媒介される伝染病がはやっていましたが、グラハムはその伝染病防止に尽力したそうです。
そして田舎町の小児科医として過ごし1965年に87歳でこの世を去りました。
映画の中でも登場する彼の評判同様、人格者であったようで現在でもアーチー・グラハム奨学金基金が存在しています。
メジャーリーグを夢見て挫折し、その後の医者として人生を全うしたグラハム。
映画フィールド・オブ・ドリームスは最後のシーンでレイが作った野球場にたくさんの観客がやってきてストーリーは終わります。
このラストシーンと同様のことが実際に起こったことは有名な話で映画上映後10年間で100万人の野球ファンが、
この映画でトウモロコシ畑をつぶして作られた野球場を訪れました。
ただ観光で来る者だけでなく、映画同様亡き父親に会うために訪れた人などなど・・・
しかし、田舎町チゾムでも同じようなことが起こっていたことはあまり知られていません。
映画公開後、一躍有名になったアーチー・グラハムという約85年前の野球選手。
フィクション映画に出てくる「ほぼフィクション」的な存在だった野球選手は野球ファンにとってはたまらない魅力でした。
そのグラハムのベースボールカードがチゾムの新聞社で復刻されたのです。
このカードを求め全米中から田舎町チゾムに人が集まったのです。
つまり映画のラストシーンと同じようなことは撮影に使われた野球場だけでなく
1イニングだけ出場したメジャーリーガー、ムーンライト・グラハムが第二の人生を過ごしたチゾムで実際に起こったのです。
たった1枚のベースボールカードが起こした奇跡。
上映後、20年以上経た今でもアメリカではムーンライト・グラハムのグッズが人気を誇っています。
残念ながら日米ともに近年はベースボールカードは売り上げが下がっているのですが、
野球の歴史を語る上で欠かせない歴史を持っていることは忘れてはいけません。
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≪リンク集≫
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http://losgitanos.web.fc2.com
高校生からスタートできる草野球生活!
若林スポーツ・ベースボール・クラシック・大会オフィシャルページ
http://wakasupobaseballclassic.web.fc2.com
6・16若林スポーツ・ベースボール・クラシック2013開催決定!(若スポ杯)
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