昨年2013年のアメリカン・リーグ本塁打王クリス・デービス(ボルティモア・オリオールズ)が大変なことになっている。
今月12日、ドーピング検査で陽性反応が出た。興奮剤アンフェタミンが検出されたのだ。
検査結果を受けてデービスは25試合の出場停止の処分を科され、彼の2014年シーズンは終わってしまった。
しかしデービスが大変なことになっているのはそれだけではない。
彼の本塁打数が半減したことは大きな出来事ではない。
問題は彼の打率だ。
本塁打こそ26本塁打を放っているものの規定打席に到達しているものの今季打率は最終的に.196だった。
これは21世紀に入って3人目しか達成していない記録なのだ。
メジャーリーグでは打率に関する一つの指標がある。
【メンドーサ・ライン』
メンドーサとは70年代にメジャーリーグで活躍(?)したマリオ・メンドーサの名前をとってメンドーサ・ラインと呼ばれている。
通算記録を見ても彼の名前が後世に残る要素はないはずだ。しかし彼の名前が後世にまで残っている大きな理由は彼の打率の低さだ。
1982年(メンドーサ32歳)はテキサス・レンジャースから放出され、そこで9年目にしてメジャーリーグのキャリアは終わっている。
その放出時の打率は17打数1安打で驚きの.118だった。
もちろんこれだけではない。彼のメジャーリーグ9年間の中でのシーズン最高打率は.245、むしろ2割に到達したシーズンが4回、1割台だったシーズンが5回と2割を超えることの方が少なかった。
特に1979年の彼は148試合出場し打率.198、出塁率が多いのではという見方をする人もいるだろうが401打席で四死球は10個。この年の出塁率は.216だった。
このメンドーサの打てなさ具合がメジャーリーグでは成績の一つの指標になっているのだ。
そもそも1979年にジョージ・ブレッドが「日曜日の新聞(打撃成績が出ている)で一番に見るのはメンドーサより下に誰がいるかだ」と新聞記者に語ったところからこの言葉が一気に普及したと言われている。
近年では野球界のみならず学校の成績などあらゆる場面で低水準の成績の状態を現す時に「メンドーサ・ライン」を用いるられている程、有名な指標になっている。
メンドーサ・ラインはメジャーリーガーにとって越えて(?)はいけないラインだった。
しかし2010年は非常にMLBにとって非常に珍しい出来事がおきた。
メンドーサ・ラインを下回った打者が2人も誕生した。(400打席以上)
シーズン400打席以上の打者がメンドーサ・ラインを下回ったのは1999年のルーベン・シエラ以来11年ぶりだった。
とは言っても下回ったカルロス・ペーニャが28本塁打、マーク・レイノルズも32本塁打放っている。
そして今季、見事に(?)年俸1035万ドル(約10億3500万円)のクリス・デービスがメンドーサ・ラインを下回ってしまったのだ。
下回ったものの本塁打は26本塁打放っていることから、2010年の2人と同じような成績となっている。
ちなみに気になる出塁率に関しては四死球60個を記録しており今季の出塁率は.300だった。
そんな【メンドーサ・ライン】には一つの議論が残る。
果たしてどこがメンドーサ・ラインなのかである。
メンドーサの通算打率.215がメンドーサ・ラインと考える人もいれば、メンドーサという名前を使い打率2割をメンドーサ・ラインと考える人もいる。
しかしどちらにせよ、あまりありがたい記録とは言えない。
そのメンドーサだが、1984年から地元メキシコのメキシカンリーグに戻り1990年までプレー。(メキシカンリーグ通算打率は.291)
そして1994年からは指導者としての道を歩み始め、メキシカン・リーグの監督を務めるまでになっている。
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