プロ経営者と呼ばれる経営者たちが日本にも多数存在するが、プロ野球界の経営再建をしたと呼ばれる経営者は意外と少ないかもしれない。
近年だと横浜DeNAベイスターズを再建した池田純元社長あたりの名前がでてくるかと思われる。池田元社長は稼働率50%以下で20億円以上の赤字を垂れ流していたベイスターズはわずか5年で稼働率90%超えにして黒字化、チームとしても初の日本シリーズ進出させた。
再建が完了した2016年いっぱいで任期満了で退任し、現在も他スポーツをはじめとした再建に力を発揮している。
バブルが崩壊しバブルの余韻すらなくなった1900年代後半、ダイエーは福岡3事業(ホークス球団、福岡ドーム、ホークスタウン)は多額の有利子負債を抱えるなかでの不振に苦しんでいた。
そんな1999年に福岡3事業の再建するためにやってきたのが高塚猛球団社長だった。
着任以前も岩手県のホテルの再建を成し遂げた高塚への期待は高かった。
驚くべきはその手腕で、わずか1年半で福岡3事業は44億円の赤字から一気に15億円の黒字へと転換。
チームも1999年に優勝し、翌年もまた優勝と常勝球団を築き上げた。
その手法もまた革新的なもので、それまでのダイエーホークスが消極的だった地元密着路線(それまでは全国展開路線)に転換させ、ロゴマークの著作権フリーというプロスポーツとしては斬新な手法を繰り出した。これはホークスの名前を広めることがより得策だということからとのことだ。
また選手たちも地元九州の選手を獲得し九州中心のスター選手を前面に出したPR活動したり、二軍戦を福岡ドームで行い30000人を動員、それまでビジネスにならないと思われていた二軍でもしっかりビジネスにできることを証明した。
ビジネス面では素晴らしい功績ばかりだが、球団の私物化や選手とのトラブルも多く、最後は2004年に女性社員への強制わいせつが発覚して刑事訴追により失脚し福岡を去った。
その年のオフに球団はソフトバンクに身売りし、残り2事業は海外投資会社へ売却。
ダイエーの福岡3事業の再建物語は黒字化や常勝球団化したにも関わらずハッピーエンドとはならなかった。
高塚氏は試合中に選手にサインボールを書かせたりしたといわれているが、下記の写真のサインボールもそのひとつだったのかもしれない。
FDHのロゴが入った福岡ダイエーホークスの練習球に若かりし頃の和田毅投手のサインボール、そしてその裏側には福岡ソフトバンクホークスという球団名とともに高塚猛の署名(サイン)が書かれている。
事情が分からなければ大投手・和田毅投手のサインボールだが、高塚猛のサインが入ったこのボールこそ現在のホークスの常勝球団の礎が詰まっているボールだと私は思っている。
ちなみにドコで入手したかというと、、、蚤の市で【誰のサインボールだかわからない】と1000円で売られていた。
私はコレは珍しいと思い1000円で買うことを決意しているにも関わらず、【500円でいいよ!】と値切ってもいないのに値切られてしまったボールだ。
なんだかさびしくなってしまった。