では2日連続で『その時ダイナマイツの歴史が動いた』!
今回は、『高校生チーム』という企画について書きたいと思う。
ある時期まで高校生たちの野球をやる場所がなかったことは紛れもない事実だ。野球やりたければ高校野球というのがある意味で当時の常識だった。
そんなボクは当時、高野連について調べてみた。しかし、とにかく謎のヴェールに包まれていた。特にあれだけ公的に近い機関なのだから、収支報告があるのではないかと思っていたが今日まで約7年間探し続けたが、その情報が出ている様子はなかった。
だが、この時期から明らかにボクのところへ相談にくる高校生の数は増えていった。
もちろん彼らは通っている高校も違えば、そのレベルも抱えている問題も違っていたが、共通して言えたことは「体罰」の問題、そして「かかる費用」の問題が多かったと記憶している。まぁ強豪校の子なんかは、野球で高校に入ってきた他の選手らと学校生活のスタイルが違うということ(スポーツ進学の子の授業が午前中までなのに対して、一般進学の子は午後3〜4時まで授業。授業内容も全く違う。) で野球をしなければならなかった子もいた。
そんな子の中には、中学時代も都大会で上位進出した中学校の選手だったので、実力は半端ではなかった。
彼らの話をすべて鵜呑みにしていた訳ではないが、明らかに問題にされない問題が多かったのではないだろうか。
そんなこともあり、ボクは高校生の野球活動を研究してみた。まず、このあたりからだろう。上の世代を強烈に拒絶する時代がやってきていた。だから予備校なんかも
「現役生限定」なんて予備校も多くなってきた。恐らく自己表現するのに上の世代がいるとやりづらいと感じる子が多くなったのではないかとボクは考えていた。
じゃあ同じように高校生限定チームをチーム内の企画がやってみようと思った。
01年6月にチーム内で秋に「高校生チーム構想」があることを発表した。それはダイナマイツがサポートを行い、グラウンドの確保や、相手の決定、試合の準備まですべて高校生が行動する企画であった。正直、この企画はハマったと思う。ネット上にも「高校生チーム」というそれまで見たことも聞いたこともない単語をチーム名の前につけて、ネット上に「高校生チーム」という単語を氾濫させ始めた。
実際、試合も無事行うことが出来、試合にも勝利し無事プロジェクトを完了したが、その裏側は結構大変なものだった。
なんせいきなり高校生チーム用のユニフォームを作ろうと話し始めたが、金銭的な壁にぶち当たってあえなく頓挫。試験的な企画なのに、どうしても費用がかかるようなことばかり企画してしまう傾向にあったのだ。だから、何が必要か必要最低限のものだけあげさせて、企画させ始めた。
場所は砧公園で日曜日のイイ時間帯(13〜15時) を確保出来たため、相手も容易に決まった。
さぁ試合といった時に、当日の集合が決まっていなかった。何分前に集合するとか全く決まっていなかった。
結局、当日17時から世田谷公園でダイナマイツ本隊の試合もあったので、ダイナマイツメンバーの集合と一緒の集合にしたのだ。
いざ試合をはじめてみれば、それまで見たこともないような素晴らしい動きをしているヤツもいれば、緊張しているヤツもいた!w
ココから本格的にダイナマイツの高校生チーム構想がはじまったのだ。あくまでダイナマイツ本体がメインで、将来的にダイナマイツを担うために企画段階から試合終了まで、ダイナマイツ本体のサポートを受けながらチーム運営の実地訓練のような形で行われるようになった。
その翌々年には高校生チーム限定の大会『東京都高校生野球リーグ』を開催した。参加チームは4チームだったが、大会会期中のチーム消滅などもあり大変な大会運営だった。
しかし、この企画は大会開始の半年前からネット上で告知したこともあり、大袈裟な話ではなく全国から問い合わせや励まし、他の地区での開催の熱望のメールが殺到し多い日で1日数十件いただいた。
また地方で支部を作るから全日本大会をやりませんかという問い合わせなんかもあったりして、いろんな意味で全国に高校生チームが浸透したのではないかと思っている。
事実それ以降、年々高校生チームと名乗るチームも激増したし、ボクが適当に作った造語(←当時は検索しても我々しかいなかったから!w) を使ってもらえることは非常にうれしい!実はこの単語自体も「高校生 野球」の検索でヒットするように作ったものなのだ。ただ候補としては「高校生草野球チーム」とかもあったが、やはり名乗る上でも「高校生チーム」がちょうどよかったのだ。
でも実際に妨害など結構大変な思いをしてきただけに、高校生の置かれている野球に対する現状や同時に非常に古い野球界のしきたりもよく分かった。そして何よりも野球をやりたくても野球をやる場所が見つからず断念してしまう高校生の多さも分かったし、そして彼らの求めているものもわかったと思う。
この一連の高校生チームの活動がダイナマイツ自体の発想を変えたと思う。
まず彼らの中には、大別して2つのタイプがいた。野球がどうしてもやりたいから草野球を真剣にやる。もうひとつは、野球はやりたいけど何でもいいから部活にも入っときたいから両方やる。
つまり部活はひとつの大きなブランドであり、部活と草野球が同じことをすれば絶対に部活には勝てない。
そもそも高級ブランドのバッグも、ブランドのマークがついているかいないかだけで雲泥の違いがある訳だ。
部活というのが、名の知れた高級ブランドとして通用するのなら、ダイナマイツは、ノーブランドで980円で売られているTシャツのようなもんだろう。
だから、「学校で何やってるの?」って聞かれて「学校ではやってないけど草野球やってるよ」って言える自分を持ってるような高校生は少なくなってきている。
やはり野球が好きだけど周りの目も気になるっていうのがココ3年くらいの高校生の傾向だろう。
ならば学校の部活ではなかなか出来ないようなことを経験してもらいたい。
例えば高校生自らがチームの様々な活動を企画するなどを多くチーム内で経験してもらうことにしている。
学校やなんかの団体の合宿なんていうのは行く場所も費用も期間もすべて決められてしまうが、ダイナマイツの合宿企画は合宿企画係がすべてを企画する。
練習時間以外のすべての時間は合宿企画係がイベントを企画する。毎年行われている、プロ野球クイズやきもだめしもその一環だ。
いまの高校生は新ユニフォームを企画しているようだし、実際それを見ている他の高校生メンバーから「面白そうでイイなぁ」って意見ももらうので必ず言う。
「やってみたけりゃ一緒にやればイイよ!」
みんなでやったほうがイロイロな意見が出てくるしね!
とにかくそういう企画の集合体でダイナマイツは成り立つように生まれ変わってきている。
メンバーや入団希望者のニーズを把握して、実際にその中の内容を充実させていくということは、商品で言えば品質を高めるということだ。
だから、この頃はチーム内を一人一人が改善するためにQCサークル的なやり方で多くを変えていった。デミング賞をとれるくらいに!!
やりたければやれば企画してみればイイ、その代わりチームの万人にその企画を認められなければ、その先はなかなか難しいということだ!w
自分の思い描いている企画と、他の人の意見を組み込んでいってその企画が現実になるのだ!
思えばある時期、定期練習にボクと当時高校1年生の春日だけなんて日もあった。広々としたグラウンドをまぶしい位の照明が照らすなか、2人だけ・・・そんな時代から考えれば今の定期練習なんかだいぶ改善されてきたと思う。
毎年定期練習にはリーダー的な存在がいるがみんなホント試行錯誤して、みんなで話し合いながら改善を繰り返してきた。
ボクは一切口は出さない!仕事についてからは姿も出さない!だけどしっかりやってくれている。
すべてはこの高校生チーム企画がチームの本質的な部分を変えたと思う。
もし高校生チームがなければ、何も考えずにただ野球をやる場を提供するだけで今頃青山ダイナマイツはなかったかもしれない・・・
みんなが作るチームというのがダイナマイツで一番の魅力かもしれない!
野球が下手でも企画で主力になれるし!
でも高校生チームを楽しんでくれた高校生に一言だけ言いたい!
大学生や社会人のメンバーが表で影で支えてくれていることだけは忘れないでくださいね!
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≪リンク集≫
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野球用品専門店若林スポーツ
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地元世田谷草野球を盛り上げるための私設草野球大会。
世田谷ハイタク労協野球大会ホームページ
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戦後日本の草野球文化を支えてきたタクシー業界の草野球大会。
世田ハイ大会は2013年大会が第60回大会という半世紀の歴史を誇る草野球の重要文化財的大会。
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