バリー・ボンズと薬物問題。

いよいよバリー・ボンズがハンクアーロンの本塁打記録を塗り替えようとしている。

そこで今日は私の持ってる記念ボールの中からボンズのサインボールを紹介。

このボールには、ボンズの他に多数のメジャーリーガーがサインしている。実はこのボール、1998年のＭＬＢオールスターゲームに出場したナショナルリーグ選手全員の寄せ書きなのだ

でも、残念ながらこの年にボンズは、ピークを超えたスターでこの年は特に脇役でしかなかった。

なぜなら98年、61年にロジャーマリスが記録したシーズン61本塁打を上回るペースで、3名のスラッガーがホームランを量産していたからだ。

マーク・マグワイアとサミー・ソーサ、それにケン・グリフィーＪｒ。

結果マグワイアが70本、ソーサが66本、グリフィーＪｒは56本だった。ちなみに脇役ボンズはナショナルリーグ本塁打ランキング9位の37本塁打。

時代の英雄となったマグワイアの約半分の本塁打数でしかなかったのだ。

98年終了時に、通算本塁打数は411本、タイトルも90&92&93年に3度のＭＶＰを取って以降獲得していない。

既に34歳を過ぎたボンズは明らかに全盛期の力を失っていたように見えた。

日本にメジャーリーグが大々的に放送され、今まで皆無に近かった情報が洪水のようにあふれた1995年。

野茂の挑戦でメジャーリーグとの距離は一気に近くなったが、日本にメジャーリーグがやってきて以降はボンズは大物ではあったがＭＶＰを獲得するような選手ではなくなっていた。

メジャーリーグの主役は毎年毎月毎日かわる。古いスターが衰えれば、次の日には新たな若いスターが登場する実力社会。

主役から脇役へ、ボンズも徐々に過去への階段を下りはじめていた。

しかし、2001年突然の大爆発でこの年永久不滅と呼ばれたマグワイアが記録したシーズン70本塁打を上回る73本塁打をボンズは放った。

一躍スターの座に返り咲いたボンズだが、その後は薬物問題で記録への価値が問われている。

そして、まもなく塗り替えられようとしている通算本塁打記録も、残念ながら同等に記録の「価値」が論争をよんでいる。

また追い討ちをかけるように今年の殿堂入り投票ではシーズン70本塁打を放ち、500HRクラブのマーク・マグワイアがボンズ同様薬物問題の影響から、殿堂入り出来なかった。しかも、マグワイアへの得票率の低さは日本以上に厳しいアメリカの薬物使用への嫌悪感が現れていたように感じる。

おそらく前半戦で塗り替えられるボンズの通算本塁打記録、間違いなく記録を祝う以上に薬物問題を報道するだろうが、ボクはこのボールを見て98年当時を振り返ってみた。

マグワイアは薬物使用をシーズン途中に自ら認めていたが、その薬物使用に対しての批判はボンズとはくらべものにならないほど少なかった。

薬物を使っているとファンが認知していても、マグワイアはスーパースターだったということだ。

確かにスポーツ倫理的には、薬物使用は大きな間違いであり、絶対に許されざる問題であると思うが、これがメジャーリーグが興行であると考えたときに、果たしてスポーツ倫理というものがすべて通用されるのかというものだ。オリンピックでドーピング問題が絶えないのも、一度金メダルをとればその後の人生(←主に収入)が大きく変わるからだ。金メダルのもたらす影響は、日本の金メダリストを見ても一目瞭然だろう。某冬のオリンピックで金メダルをとった選手は、それまでメディアの出演はほとんどなかったにも関わらず、その日を境にメディアへの露出度が激増した。

だから薬物を使ってでも名誉を手に入れたいと考えるアスリートそしてその周囲の人間が絶えないのだ。

今回のボンズの記録が認められるか否かは、薬物問題というよりはスポーツ倫理学と興行の溝だと私は考えており、記録は記録、倫理は倫理という結論以外は堂々巡りになってしまうのではないかと考えている。その溝を作らない為に現在、ドーピング検査を取り入れたのだと思うし、今後はこのような論争が巻き起こらないことを願いたい。私もボンズは好きだから。

≪今日の画像≫

この年、マグワイアのサインは高騰してしまった為、サイン自体をほとんどしていなかった。

そして、今ではボンズもサインの入手が難しい！もちろんその分偽物がたくさん存在しているのだ。

特にこの翌年に実際アメリカで、マグワイアのサインを探してみたが1個の本物を見るのに、ニセモノが10個くらいあった。

もちろん省略したサインや、キレイにサインされたものも含めてとにかく本物を見つけることは困難だった。

逆にボンズはしっかり本物がたくさん売られていた。

ちなみに日本ではサインがあまり売られていないが、アメリカでは逆に選手が引退後にサインの版権で生活していたり、現役選手もサイン販売会社と契約してサインを書いてサインが販売されている。契約には大きく分けて２タイプあり、その都度のサイン契約を結んでサインを書く契約と、以前のイチローや松井のように年間契約を行い、そのメーカーから独占販売される形式とに分かれている。年間契約の場合は、カメラの前でサインをしてはいけないなど様々な契約条項があるが、イチローも1億円近い契約金をもらっていたと推測される。

アメリカではサインなどは、美術品を扱うようなオークションでも出品されており、4月に行われた大手のオークションではベーブルースとルーゲーリッグのサインボールに約25000ドル(1ドル＝120円で、約300万円)、さらに落札した場合は、落札額の２０％を手数料としてとられる為、実際360万円くらいの費用が必要となる。

まさに日本では考えられませんが、アメリカでスポーツグッズはとてつもない芸術品なのだ。

初めて買うときは結構ウキウキするが、ニセモノも多いので注意が必要だ。

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≪リンク集≫
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