選挙速報が各局で流れる中、一本の訃報が流れてきた。
カール・ゴッチ死去
プロレスの神様と呼ばれたカール・ゴッチ、おそらく日本のプロレス・そして現在世界中で勢いを見せ付ける総合格闘技、これらはゴッチなしでは絶対にありえない。
ゴッチこそ最強のプロレスラーだという人も少なくない。しかし、ゴッチの時代にはルー・テーズとよばれる最強の鉄人がいたのだ。
トレーニングを色々分析する中で、ゴッチ流とテーズ流の2種類のトレーニングがプロレス界には存在していることが分かった。
直線的に筋力を鍛えるテーズ流、そして実際の競技の中で使える筋力を鍛えるのがゴッチ流。
プロレスの本場アメリカでは、テーズのほうが圧倒的に知名度も高く、ゴッチはそこまでではない。
その理由として、やはりゴッチが強すぎたことが原因とされる。
バックドロップひとつとっても、相手に怪我をさせないように安全なバックドロップを行うルー・テーズ、それに対し相手を倒すためのスープレックスを編み出し使うカール・ゴッチ。プロレスの中では、強さを求めるゴッチは敬遠されてしまっていた。
アメリカのプロレスがテーズのようなエンターテインメント重視なのに対し、新日本プロレスのストロング・スタイルはまさにゴッチ流と言えよう。
ゴッチはUWF系の選手も多く育て、間違いなく一歩先をゆくプロレスラーだった。
最後にゴッチをテレビで見たのは、坂口憲二サンがTV番組でゴッチにトレーニングの指導されていた姿だ。
老後はひっそりとアパートに住んでいたといわれるゴッチだが、選挙速報に隠れ彼の訃報もまたひっそりと報道されるのかもしれない。
しかし強さゆえに敬遠されてきた彼の人生こそ、現在の格闘技界の「土台」であることだけは日本人は忘れてはいけないと思う。
なぜならアメリカのプロレスの「土台」がルー・テーズなのに対し、ゴッチは日本プロレスの神様なのだから・・・
選挙速報をみながらしみじみ彼を偲んでいる・・・・