時代は前後してしまいますが、小学読本の登場から『野球』という単語が誕生するまでかなりの時間を要しました。
前回も紹介いたしましたが、『校友会雑誌号外 野球部史』の中で「野球」という単語が登場したのが最初です。
この『校友会雑誌号外 野球部史』が発行されたのが、明治28年でした。
この野球という単語を作った中馬庚ですが、『校友会雑誌号外 野球部史』を発行した2年後の明治30年に『野球』という専門書を発行します。
野球の基本的な知識から技術まで幅広く紹介されています。4年後の明治34年にはその増補版である『増補野球』が発行されました。
おそらくこの増補版発行までの4年間の間に『野球』という単語はだいぶ普及したのではないかと思います。
↑明治34年発行の『増補野球』(オリジナル)と明治30年発行の『野球』(復刻版)
この明治34年に発行された『増補野球』の巻末には、明治期の運動具店『美満津商店』の広告が掲載されていて、この時期の野球用品の形状や価格を知る上でも非常に興味深いものとなっています。
そういえばミズノも昔は美津濃でしたが、明治39年創業(美津濃運動具用品の設立は大正12年)なのを考えると『美満津商店』を意識していたのでしょうか?
ちなみに最近話題となっている虎印・美津和タイガーは昭和22年創業のようです。
『ベースボール用球』は最高級品は1円40銭。
これが大体今の物価としてドレ位か調べてみました。
現在と明治30年の物価を比較すると、単純に物価のみで比較した場合に明治30年の1円は3800円程度だそうです。
しかし賃金格差がだいぶあったようで、小学校教師や警察官で月給約8円、大工や工場のベテラン技術者で月給約20円程度だったと言われています。
なのでこのボールは前者の月給から考えれば約7分の1、後者の月給から考えても約13分の1といった感じで、ボール1個が非常に高級品であったことがわかります。
ちなみにボールが1円40銭なのに対して、バットは1〜4号まで各48銭。
剣道の面のようなのキャッチャー用マスクは中等マスクで1円70銭、上等マスクは現代風になっていて2円70銭。
キャッチャーミットは米国製上等が7円で国産の約2〜3倍しています。
今も昔も、野球はお金のかかるスポーツであることにかわりはないようですが、明治期の野球は今以上にお金のかかるスポーツであったということが、美満津商店の広告からわかります。
という訳で本日は明治34年発行の中馬庚『増補野球』の巻末にある運動具店・美満津商店の広告を紹介しました。
↑「庚」という印が押されていますが、本人が押したのでしょうか?
つづく
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