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エベッツ・フィールドの青春

今日4月15日、amazonから1枚のDVDが届きました。


『42 世界を変えた男』


です。


その今日4月15日は、黒人初の大リーガー・ジャッキー・ロビンソンが初めてメジャーリーグのグラウンドに現れた日を記念して制定されたジャッキー・ロビンソン・デーです。
当初は希望する選手全員が背番号42をつけてプレーしていましたが、近年では全選手・監督・審判が背番号42番をつけて試合をするメジャーリーグの一大イベントになっています。



こんな日に届く(発売日)とは、なかなか粋ですね。



ちょうど1年ほど前に、アメリカで大ヒットしたこの映画。
日本でもアメリカから遅れること約半年、上映と同時に大ヒットしたので記憶に新しいと思います。



今ではロサンゼルス・ドジャースとして知られていますが、1957年以前までニューヨークのブルックリンに本拠地を置いていました。ドジャースの名前は、当時ブルックリンには路面バスが多数走っていて、それを避ける人(dodge)から、Dodgersという名前になりました。
1957年という年は、アメリカの野球ファンにとっては大きな年でした。


1950年代はニューヨークには、ニューヨーク・ヤンキース、ニューヨーク・ジャイアンツ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)、そしてブルックリン・ドジャースの3球団が存在していました。
しかし1957年を最後にニューヨークに3球団あった野球チームのうち2球団が西海岸に移転してしまいました。
この出来事はニューヨークの野球ファンにとっては大きな喪失感を与えました。
ちなみにニューヨーク・メッツは1962年のナショナルリーグの球団拡張で誕生した球団なので50年代当時には存在していませんでした。



最近の若い野球人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、スモールベースボールの代表的な教科書でもある『ドジャースの戦法』の著者であるアル・カンパニス氏はマイナーリーグ時代のモントリオール・ロイヤルズ(AAA級)で、ジャッキー・ロビンソンと二遊間を組んでいたのは意外と知られていません。(まぁマイナーリーグ時代の話ですからね・・・)
余談ですが、高校時代に野球部の監督に買って読むようにと言われてた『ドジャースの戦法』をしっかり読んだのは大学になってからでした。今思えば、高校の時に読んでおけば、もう少しは違った意識で練習に取り組み、野球がうまくなっていたかもしれません。



映画『フィールド・オブ・ドリームス』ではシューレス・ジョー・ジャクソンが大きなスポットライトを浴びていますが、主人公レイ・キンセラは昔、ブルックリン・ドジャースのファンで、その父親はニューヨーク・ヤンキースのファンだったのです。ドジャースが西海岸に移転してからは野球のことではケンカをしなくなったというセリフが冒頭にありますが、ケンカしなくなるほどドジャースの移転は野球史にとって重要な出来事でした。

さらに劇中に登場するテレンス・マン(モデルは『ライ麦畑でつかまえて』の著者J・D・サリンジャー)が1973年に公の席で最後にインタビューを受けたでは、『私が子供の頃、繰り返し見た夢はエベッツ球場でドジャースのジャッキー・ロビンソンとプレーするやつだった。無論実現しなかったし、ドジャースは西に移りエベッツ球場は消えた。だが今も私はあの夢を見る。』
そのテレンス・マンは1958年から生の野球を見に行っていない。
つまり1957年を最後にドジャースがブルックリンから西海岸へ移転してから見に行っていないということを言っている訳です。



アメリカの野球ファンにとって、ブルックリン・ドジャースという球団がいかに特別な球団であったかは、このように映画の劇中でエピソードがたびたび登場することからもわかります。
そして、1957年シーズン終了後に西海岸へ移転し、本拠地のエベッツ球場が解体されたことは、ブルックリンのドジャース・ファンの心に大きな穴を開けたことも・・・



ジャッキー・ロビンソンの登場は野球界に革命をもたらしたことは言うまでもありません。
そしてブルックリンにフランチャイズを置いていたブルックリン・ドジャースもジャッキー・ロビンソン同様に野球界に大きな存在だったのです。



そして、このDVDが届いた日に『42 〜世界を変えた男』ではなく、『フィールド・オブ・ドリームス』を見てしまっている自分はなんなんでしょう・・・野球好きです!(笑)



↑15年以上前、ドジャースタジアム内のショップで見つけたジャッキー・ロビンソンの小切手。
 店に入って一番目立つところにディスプレイされていたものでしたが、ドジャースタジアムに初めて来た記念に買ってしまいました。その時の店員の驚いた顔が今でも忘れられません。
 他の野球グッズ・ディーラーから買うのと、ドジャースタジアムで買ったのでは、自分の中での付加価値は全然違うと今でも私は思っています。(←コレクターの自己満足な世界です!)



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フィールド・オブ・ドリームス (スクリーンプレイ)

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