球界一の座は間違いなく北海道日本ハムファイターズのダルビッシュ有だろう。
しかしダルビッシュ入団の2年前のドラフトでダルビッシュと同じく騒がれた投手がいたのを覚えているだろうか?
「高井雄平」
その左腕から繰り出す150Kmの速球に自由獲得枠が主流のドラフトで、近鉄・ヤクルトの2球団が1巡目で競合、結果ヤクルトスワローズが抽選で交渉権で獲得した。
背番号も石井一久のつけていた16番というところからの球団の期待の大きさがわかるだろう。
1年目の03年こそ高卒ルーキーながら5勝(6敗)を挙げるものの、それ以降勝ち星が5勝を上回ることはない。
背番号も、石井一久の帰国により06年に22、さらに07年には41となるなど、既にドラフト入団時のゴールデンルーキーの時とは違い、一中継ぎ投手としての扱いとなってしまっていた。
一方、後輩ダルビッシュ有は高井引退後に、東北高校のエースとなり翌春にはセンバツに出場、夏の高校野球では準決勝、さらに翌センバツではノーヒットノーランを達成するなど、高校生ながら既に結果が出ず伸び悩んでいた先輩・高井雄平よりも全国的な知名度も高く、また実力もつけていった。
04年ドラフトは、高校生候補には、佐藤剛士(現広島カープ)や涌井秀章(現西武ライオンズ)などの大物選手、大学生・社会人ではシダックスの野間口貴彦(現読売ジャイアンツ)や裏金問題の渦中にあった明治大学の一場靖弘(現楽天イーグルス)がいたこともあり、非常に注目されたドラフトでもあった。
スーパースターの卵が多かったこの年のドラフト指名選手。そんな彼らが入ってくる中、高井雄平はストライクの入らない投手となっていた。
07年シーズンを終えてみれば、後輩ダルビッシュ有は沢村賞を獲得し名実ともにプロ野球界一の投手に。
しかし高井雄平は既に終わった選手ではないことはないことは、その速球と暴投の多さからもわかる。メジャーリーグNo.1左腕であるサンディー・コーファックスもノーコンが治ってからは、歴史に残る名投手へと成長した。
ボクが毎年、期待を寄せる高井雄平、その潜在能力が高いことからこそ才能を開花させてほしいと思っている。
同期の元中日ドラゴンズ・瀬間仲ノルベルトも戦力外となった05年オフ、そして昨年も12球団合同トライアウトを受けている。
このレベルの投手で終わってしまうにはあまりにももったいない!
球界でも希有な存在である150Km越左腕の高井雄平が先発の柱となった時、低迷しているヤクルトスワローズは再び優勝戦線に顔を出すはずだとボクは信じている。